卒業白書 雪の人形
 
<作品解説>

華月にとって切り離すことのできない、大切なテーマである"卒業"。
自分たちで作り上げた卒業式を武道館で行なった2000年。「秋風の狂詩曲」の発売も間近に迫った、10月の終わり頃に、華月が曲を書き上げたのが、「卒業白書」です。
華月はその頃、Raphaelとしての活動に加え、ソロプロジェクトとして百合十字団を立ち上げ、さらに、今後は他のアーティストへの楽曲提供も始めていきたいと2001年以降の計画を考えていて、とても意欲的でした。その第1弾として誕生したのがこの作品だったのです。
この曲を僕に聴かせてくれた時、華月は、まず、卒業の季節に女性アーティストの歌でこの曲をリリースし、それがたくさんの人に親しまれ、いつしか学校の卒業式などで歌われるようになり、将来的には学校の音楽の教科書に載るようになりたいと、この曲に想い描いている夢を楽しそうに話してくれました。華月にとってもそれだけの自信作だったのです。
その時、詞の構想もすでに出来上がっていましたが、まだ詞は書き上げていませんでした。この作品には、華月が想い描いた"夢"があり、このまま埋もれさせるわけにはいかない、絶対にいつか女性アーティストの歌で音源化したいと思い、これまで準備を進めてきました。
華月がその時に話してくれた詞の構想をもとに、今回、プロデューサー兼アーティストとしても活躍している高橋研氏に詞を書いていただき、この歌を完成させることができました。「卒業白書」は、卒業式の日を迎えた女の子の気持ちが胸にジーンと迫るバラード曲で、華月による新たな卒業ソングの名作です。

もう1曲の収録曲「雪の人形」は、亡くなったファンの女の子に捧げられた楽曲で、これまで、インストルメンタルのバージョンは、音源化されてきましたが、ボーカル・バージョンは、今回初の音源化となります。「雪の人形」については、天々団のホームページに、華月自身による解説が載っているので、こちらの方も、あらためて読んでみて下さい。この曲を、ウィスパーボイス系の女性アーティストの歌でいつか音源化してほしいと願っていた華月の想いが、今回ようやく実現することになりました。

この華月トリビュート・シングルのレコーディングには、華月の想いを実現するため、素晴らしいスタッフが集まってくれました。
「卒業白書」では、華月が、ソロプロジェクト"百合十字団"の活動のために、ボーカルレッスンを受けていた先生でもある、プロデューサーの桐ヶ谷俊博氏がアレンジを担当しています。
「雪の人形」については、華月がこの作品を作った時の想いを一番分かっているスタッフが集まり、華月のイメージしていた音の世界を見事に作り上げてくれました。
プロデュースには、Raphaelのプロデューサーとしてもおなじみで、華月が最も信頼を寄せていたスタッフである平井光一氏。ベースにはYUKITOが特別参加してくれました。さらに、今回の音源には、華月が演奏したガットギターも収録されています。
これまで、この2曲それぞれの作品に合った女性ボーカリストを長い時間をかけて、オーディションをしながら探してきましたが、作品に合う声質を持った2人のボーカリストにようやく出会うことができ、このCDを完成させることができました。
 ぜひ、皆さんに聴いていただきたいと思っています。そして、「卒業白書」は、皆さんに親しまれ、歌ってもらえるようになったら、嬉しいです。そのことが、華月の"夢"の実現につながっていくことと思います。

FLME 華月担当 田裕之

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